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一を聞いて以って十を知る

ー聞一以知十ー   論語
(論語:十巻二十編。孔子や孔子の門弟の言行を記したもの。
儒家の聖典とされている。四書の一つ。)

物事の一部を聞いただけで全部を理解できる。
賢明で察しのいいことである。

 

{原文}
子謂子貢曰 
「汝與回也孰愈」 
對曰 
「賜也何敢望回 
回也聞一以知十 
賜也聞一以知二」 
子曰
「弗如也 吾與汝弗如也」

 

{書き下し文}
子、子貢に謂いて曰く、

「汝と回と孰れか愈(まさ)れる」
対えて曰く、
「賜や、何ぞ敢て回を望まん。
回や、一を聞いて十を知る、
賜や、一を聞いて以て二を知るのみ。」 
子曰く、
「如かざるなり、吾と汝と如かざるなり。」

孔門十哲

 

{意解}
孔子の愛弟子に、顔回と子貢という二人の人物がいた。
あるとき孔子が、この子貢に語りかけた
「お前と顔回では、どちらが優れているかな」と尋ねた。
子貢が、「どうして、回と比べることができるでしょう。
回は、一を聞いて十を知ることができますが、
私はようやく二を知る程度です」 と答えると、
孔子が言った。 「そう及ばないね、私もお前同様(回には)及ばないよ」と。  

恥ずかしながら、一を聞いて半分しか知り得ない自分だが、

己を知って「二を知る」くらいまでの賢明さを
身に付ける努力をしたいものですね。

★子貢は表現力においては時に孔子をも上回る才能を見せ、
たびたび「子貢は孔子を超えている」と言われた。
孔子の没後、その弟子たちは孔子の墓の近くで三年間服喪したが、
子貢はさらに三年間、合わせて六年もの間、喪に服したと伝わっている。
孔子への、心からの敬意によるものであったのだろう。

★『論語』には顔回への賛辞がいくつか見られる。
たとえば孔子が「顔回ほど学を好む者を聞いたことがない」 と
述べたことが記載されている。

顔回は孔子から後継者として見なされていた。

 それだけに、 世に出ることを好まず、
陋巷で窮死した時の孔子の落胆は激しく、
孔子は「ああ、天われをほろぼせり」とまで言わしめている。

 

中国古典一日一言 (PHP文庫 モ 1-4)

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