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積善(せきぜん)の家には必ず余慶(よけい)あり
ー積善之家必有余慶ー    易経
(易経:「易」または「周易」ともいう。五経の一つ。卜筮(ぼくぜい)の法によって、
倫理道徳を説いたもの。上下の「経」と、その注釈篇である。
「十翼」からなり、十翼は孔子の編と伝えられている。)

 

 

{原文}
積善之家必有餘慶。
積不善之家必有餘殃。
臣弑其君、子弑其父、
非一朝一夕之故。
其所由來者漸矣。
由辯之不早辯也。
易曰、履霜堅冰至。
蓋言順也。

 

{書き下し文}
積善の家には必ず余慶(よけい)有り。
積不善の家には必ず余殃(よおう)有り。
臣にして其の君を弑(しい)し、子にして其の父を弑するは、
一朝一夕(いっちょういっせき)の故に非ず。
其の由って來る所の者は漸なり。
之を辯(べん)じて早く辯ぜざるに由るなり。
易に曰く、霜を履んで堅冰至る、と。
蓋し順なるを言うなり。

 

{口語訳}
善行を積み重ねた家には、その報いとしてきっと幸福が子孫にまで及び、
反対に不善を積み重ねた家には、
きっと災禍が子孫にまで降りかかるものである。
臣下が自分の君主を殺したり、
子が自分の親を殺したりするような痛ましい事件は、
一朝一夕の短い期間で起こりうる性質のものではない。
霜を踏んで歩く季節を経ると、やがて氷の張る季節がくるように、
物事の兆候が現れれば、大事が間もなくやってくる、
早い段階にその事態を理解し適切な措置を施さなかった結果なのである。

 

{意解}
「善(よいこと)を積み重ねた家では、その恩恵が子孫におよび、
不善(よくないこと)を積み重ねた家には、その災いが子孫にまで及ぶ。」
という意味である。  
善い行いをしていれば良い報いがある。
悪い行いをしていれば悪い報いがある。
だから、良い報いを期待しようとするなら、 普段の行いを慎まなければならない。
また、悪に向かっていることに気づいたら、
早めに軌道修正しなければならないのだという。  
典型的な「因果応報」論と言ってよい。
合理的に物事を考えようとする人は、
あるいはこういう思考を拒否するかもしれない。
だが、これを自分に言い聞かせることによって、
今現在の自分の行いを慎もうとするところに、 この言葉の意味があるのである。  

 

易経

 


この一文に今までの古典とどこか違うという違和感を感じないだろうか。
道徳的に正当であると思うのだが、  
良いことも悪いことも子孫まで引き継がれてしまうということに!
「易経」 (えききょう、正字体:易經、)とは、
古代中国の占筮(せんぜい/細い竹を使用する占い)の書である。
符号を用いて状態の変遷、変化の予測を体系化した古典。

 中心思想は、陰陽二つの元素の対立と統合により、
森羅万象の変化法則を説く。
古代中国の哲学と宇宙観の集大成であり、
著者は伝説上の人物である伏羲(ふっき)とされている。
儒教の基本書籍である五経の筆頭に挙げられる経典であり、
『周易』(しゅうえき)または単に『易』(えき)とも呼ぶ。

 三易の一つであり、太古よりの占いの知恵を体系・組織化し、
深遠な宇宙観にまで昇華させている。
今日行われる易占法の原典であるが、 古代における占いは
現代にしばしば見られる軽さとは大いに趣きを異にし、
共同体の存亡に関わる極めて重要かつ真剣な課題の解決法であり、
占師は政治の舞台で命がけの責任を背負わされることもあった。

*三易/連山(れんざん)・帰蔵(旧字体:歸藏、きぞう)・周易(しゅうえき)の総称。
こうした背景を考えると、また、この一文の重みも違って感じてくる。  
現代では、特に女性には 星座占い(西洋占星術を簡略化したもの)、
六星占術(細木数子)、タロット占い 水晶占い(スクライング)、
姓名判断、手相占い、風水、と人気である。 imagesCALH0OFA
 これまで占いには、科学的要素が入っていると言う説が
提示されたことはあったが、
はっきりとした科学的な根拠があると認められたことはない。
それでも占いを信じる者は少なくない為、
占いはしばしばビジネスとして扱われる。
中には悪徳商法に利用する者までいるが、こうなると詐欺である。
霊感商法にも使われることが多い。  占いの提供のされ方として、
雑誌や本の他に、占い師が直接目の前で占う対面鑑定、
電話で占う電話鑑定、チャットを利用したチャット鑑定等があるが、
インターネット業界の進展により
占いコンテンツとして提供されるケースが多くなっている。
「当たるも八卦当たらぬも八卦」

 

 備考:
今回は易経の {坤(こん)は六十四卦の第2番目の卦。
上下ともに坤で構成され、すべての爻が陰である。70px-Iching-hexagram-02_svg
通称「坤為地」地の表象、 天である乾とともに万物を生成する}
の文言伝からの出典である

 

 

中国古典一日一言 (PHP文庫 モ 1-4)

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