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算多きは勝ち、算少なきは勝たず
ー多算勝、少算不勝ー    孫子 第一篇 始計
(孫子:一巻。春秋末期の呉の孫武の撰した兵法書。)

 

{原文}
攻其無備、出其不意。
此兵家之勢、不可先伝也。
夫未戦而廟算勝者、得算多也。
未戦而廟算不勝者、得算少也。
多算勝、少算不勝。 而況於無算乎。
吾以此観之、勝負見矣。

 

{書き下し文}
その無備を攻め、その不意に出づ、
此れ兵家の勢、先には伝うべからざるなり。
夫れ未だ戦はずして、廟算して勝つ者は、算を得ること多ければなり。
未だ戦わずして、廟算するに勝たざる者は、算を得ること少なければなり。
算多きは勝ち、算少なきは勝たず。 而るを況んや算無きに於いてをや。
吾れ、此れを以つてこれを観るに、勝負見わる。

 

{意解}
その無防備を攻め、不意を衝かなければならない。
これが兵法でいうところの「兵勢」であって、
予め教えることができないものなのである。

 開戦前の御前会議において、既に勝っているというのは、
勝算が多いからである。
反対に、開戦前の御前会議において、既に負けているというのは、
勝算が少ないからである。
勝算が多ければ勝ち、少なければ勝てないのは当然である。
まして、勝算無き戦いなど勝てることがあろうか。

 私は、この会議を観ることにより、
勝敗の行方を事前に知ることができるのである。
「勝算の多いほうが勝ち、少ないほうが敗れる」孫子はこう語ったあとで
「而るを況や算なきに於いておや」━━━━!!
まして勝算がなかったら勝てはしないのだ、とダメ押ししている。  

勝算もないのに、飛び出して玉砕してしまったのだは、元も子もない。
そんなときは、あえて退く。 そして戦力を温存していれば、
また、次のチャンスに賭けることができる。
これが「孫子」の認識である。 「算」とは、「計算」の「算」でもある。

 この一節を、何か事業を始めるときには、
確かな計算を立ててかかれと理解すべきだろう。  
ただ私たち日本人は、「「計算」に強い人間を、
「計算高い」などと言って嫌う傾向がある。

 考えれば、計算に弱ければ、ろくな人生設計もできないであろうし、
危険を避けるには、何事も前もってきちんと計算を立てて
かかる必要があるのは、 確かである。

 

* 「孫子」(そんし)は、中国春秋時代の思想家孫武の作とされる兵法書。 後に武経七書の一つに数えられている。 古今東西の兵法書のうち最も著名なものの一つである。 「孫子」の成立以前は、戦争の勝敗は天運に左右されるという考え方が強かった。 孫武は戦史研究の結果から、戦争には勝った理由、負けた理由があり得ることを分析した。 「孫子」の意義はここにある。

 

sonshiheihou

 

 

*「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。

 

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沈琳 二胡 女人花

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