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瓜田かでんくつれず、李下りかかんむりたださず
ー瓜田不納履、李下不整冠ー    文選 古楽府・君子行
(文選|もんぜん:三十巻。南朝梁の昭明太子の撰。
周から南北朝時代の梁にいたる約千年間、百三十余名の詩賦文章のほか、
作者不明の古詩や古楽府を若干収録。)

 

{原文}
君子防未然、不處嫌疑間。
瓜田不納履、李下不正冠。

 

{書き下し文}
君子(くんし)は未然(みぜん)に防(ふせ)ぎ、
嫌疑(けんぎ)の間(かん)に処(お)らず。

田瓜(かでん)に履(くつ)を納(い)れず、
李下(りか)に冠(かんむり)を正(ただ)さず。

 

 

李下

 

{意解}
君子たるものは、人から疑いを招くような事は未然に防ぎ、
嫌疑をかけられるような振る舞いはしないものだ。
(取ろうとしていると勘違いされぬように)
瓜(うり)畑の中で靴を穿(は)くような仕草をしたり、
李(すもも)の木の下で冠をかぶりなおしたりはしないものだ。
「疑わしきは罰せず」は法律の世界だが、個人のモラルとしては、
「疑わしきは為さず」ぐらいの心構えが必要なのかもしれない。

それを語っているのが、この言葉である。
「瓜畑では靴を履き替えてはならない。
李の木の下では、手を挙げて冠を直してはならない」というのだ。

なぜなら、そんなことをすれば、
瓜や李を盗み取ろうとしたのではないかと疑われるからである。  
誰しも、人から疑われるのは気持ちのよいことではない。
なかには、濡れ衣を着せられて、 腹立たしい思いをした人も、
多くいるに違いない。  

だが、人から疑われる原因を、自ら作っているようなケースもあるように思う。
たとえば、不注意な言動とかふしだらな行為などは、人の疑いを招きやすい。  
それを避けるためには、普段から厳しく自分を律する必要がある。
人から疑われて得になることは、一つもないのである。

 

文選(もんぜん)
中国南北朝時代、南朝梁の昭明太子によって編纂された詩文集。
春秋戦国時代から梁までの文学者131名による賦・詩・文章800余りの作品を、
37のジャンルに分類して収録。 中国古典文学の研究者にとって必読書とされる。
収録作品のみならず、 昭明太子自身による序文も六朝時代の文学史論として
高く評価されている。  
序文には、作品の収録基準を
事出於沈思、義帰乎翰藻(事は沈思より出で、義は翰藻に帰す)」とし、
深い思考から出てきた内容を、
すぐれた修辞で表現したと見なされた作品を収録したとある。

*「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。

 

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沈琳 二胡 女人花

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