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疑心、暗鬼を生ず
ー疑心生暗鬼ー    列子 説符
(列子:八巻。戦国初期の鄭のひと列御冠の撰とされているが、
偽作説もあり。別名「沖虚真経」。)

 

{原文}
人有亡鉞者、意其鄰之子、
視其行歩、竊鉞也。
顏色竊鉞也。言語竊鉞也。
動作態度、無爲而不竊鉞也。
俄而掘其谷、而得其鉞、
他日復見其鄰人之子、
動作態度、無似竊鉞者。

 

{書き下し文}
人に鉞を亡(うしな)える者有り、其の隣の子を意(うたが)う。
其の行歩(こうほ)を視(み)るに、鉞を窃(ぬす)めるなり。
顔色(がんしょく)も鉞を窃めるなり。言語(げんご)も鉞を窃めるなり。
作動(さくどう)・態度(たいど)、為(な)すとして鉞を窃まざるは無なし。
俄(にわ)かにして其の谷を掘(ほ)りて、其の鉞を得(え)たり、
他日(たじつ)復(また)其の隣人(りんじん)の子を見るに、
動作(どうさ)・態度(たいど)、鉞を窃めるに似(に)たる者無し。

説符の注解(林希逸『沖虚至徳真経鬳斎口義』) 鬳斎口義

 

{原文} 
此章猶諺言。
諺曰、 疑心生暗鬼也。
心有所疑、 其人雖不竊鉞、
而我以疑心視之、 則其件件皆可疑。

 

 

{書き下し文}
此(こ)の章(しょう)は猶(な)お諺言(げんげん)のごとし。
諺(ことわざ)に曰(いわ)く、 疑心(ぎしん)、暗鬼(あんき)を生(しょう)ず、と。
心(こころ)疑(うたが)う所(ところ)有(あ)れば、 其(そ)の人鉞を窃まずと雖(いえど)も、
我(われ)疑心(ぎしん)を以(もっ)て之(これ)を視(み)れば、
則(すなわ)ち其の件件(けんけん)皆(みな)疑(うたが)う可(べ)し。

 

疑心暗鬼

 

{意解}  
疑わしき目で見れば、
すべてのことが疑わしく思われてくるのだという。
「列子」に、紹介された話である。   

 ある男が鉞(まさかり)をなくした。 隣の息子が怪しいと思った。
その息子の歩き方を見ると、どうも盗んだようだ。
顔つきも盗んだようだ。ことばつきも盗んだようだ。
やる事なす事、みな鉞(まさかり)を盗んだように見えてくる。  

ところがその後、谷間を掘っていると、思いがけず鉞(まさかり)が見つかった。
それからは、隣の息子のやることなすこと、 盗んだようには見えなかったという。  

 自分の思い込みで、 罪のない者まで疑わしく見えたという話だある。  
これに類する話は、誰にでもあるだろう。
誤った予断や先入観によって判断を惑わされるのである。

 自分の判断力でも、
無条件の信頼など置かない方が良いのかもしれない。  

 

中国古典一日一言 (PHP文庫 モ 1-4)

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