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陰徳(いんとく)ある者は必ず陽報(ようほう)あり
ー有陰徳者必有陽報ー    淮南子 巻十八・人間訓
(淮南子|えなんじ|二十一巻。前漢の淮南王劉安が幕下の学者に命じて、
おのおのの専門について講論させて作った書。)

 

{原文}
聖王布德施惠、非求其報於百姓也。
郊望楴嘗、非求福於鬼神也。
山致其高而雲起焉、
水致其深而蛟龍生焉、
君子致其道而福祿歸焉。
夫有陰德者必有陽報、
有陰行者必有昭名。

 

{書き下し文}
聖王(せいおう)、徳(とく)を布(し)き恵(けい)を施(ほどこ)すは、
其(そ)の報(ほう)を百姓(ひゃくせい)に求(もと)むるに非(あら)ざるなり。
郊望(こうぼう) 楴嘗(ていしょう)するは、
福(さいわい)を鬼神(きしん)に求(もと)むるに非(あら)ざるなり。
山(やま)は其(そ)の高(たか)きを致(いた)して雲(くも)起(おこ)り、
水(みず)は其(そ)の深(ふか)きを致(いた)して蛟竜(こうりゅう)生(しょう)じ、
君子(くんし)は其(そ)の道(みち)を致(いた)して福禄(ふくろく)帰(き)す。
夫(そ)れ陰徳(いんとく)有(あ)る者は必(かなら)ず陽報(ようほう)有り、
陰行(いんこう)有る者は必ず昭名(しょうめい)有り。

・郊望 ー 天と自然をまつる祭り。
・楴嘗 ー 天子が祖先の霊に新穀をたてまつる祭り。
・蛟竜 ー 水中にすみ、雲と雨に会うと天に上って竜になるという想像上の動物。
・昭名 ー 明らかなほまれ。
・鬼神 ー 天地万物の霊魂。死者の霊魂と天地の神霊。

enanshi

{意解}
善行とは人に認めてもらいたいからするものではなく、
人知れず行なうもの。

「陰徳」とは、人に知られない善行である。
同じ善行でも、人の目に触れるようなものは「陰徳」とは言わない。
ちなみに、「陰徳は耳鳴りのごとし」(北史)という言葉がある。

 耳鳴りというのは、ご承知のように、
自分だけに分かって、人にはわからない。

「陰徳」もそのようなものだというのである。

 そういう「陰徳」を積んだ者には必ず「陽報」があるのだという。
「陽報」とは、はっきりとそれとわかるようなお返しである。

 では、誰がお返しをするのかといえば、天である。
人も知らないことでも、天だけはちゃんと見ていてくれる。
だから天がお返しをしてくれるに違いない、と中国人は信じてきた。

 これを信じるかどうかは、本人の心の問題であろう。
ただし、たんに「陰徳」を積めとお説教するのではなく、
それを「陽報」と結びつけたところが、
中国人らしいといえば言えるかも知れない。

備考:
淮南子
『淮南子』(えなんじ)は、前漢の武帝の頃、
淮南王劉安(紀元前179年-紀元前122年)が学者を集めて編纂させた思想書。
日本へはかなり古い時代から入ったため、
漢音の「わいなんし」ではなく、呉音で「えなんじ」と読むのが一般的である。
『淮南鴻烈』(わいなんこうれつ)ともいう。劉安・蘇非・李尚・伍被らが著作した。
10部21篇。『漢書』芸文志には「内二十一篇、外三十三篇」とあるが、
「内二十一篇」しか伝わっていない。
道家思想を中心に儒家・法家・陰陽家の思想を交えて書かれており、
一般的には雑家の書に分類されている。

 

 中国古典一日一言 (PHP文庫 モ 1-4)


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