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げんあらずんばうなかれ、
ゆうあらずんばかたるなかれ

ー匪言勿言、匪由勿語ー     詩経 雅 賓之初筵

「詩経」(賓之初筵/ひんししょえん)からの出典です。
{「雅」貴族や朝廷の公事・宴席などで奏した音楽の歌詞である}

 

{原文}
凡此飲酒、或醉或否。
既立之監、或佐之史。
彼醉不臧、不醉反恥。
式勿從謂、無俾大怠。
匪言勿言、匪由勿語。
由醉之言、俾出童羖。
三爵不識、矧敢多又。

 

{書き下し文}
凡そ此れ飲酒、あるいは醉いあるいは否(しからず)。
既に之が監(目付け)を立て、あるいは之が史(書記、記録係り)を佐(たすけ)とす。
彼は醉えば臧からず、醉わざれば反って恥とす。
式(もっ)て從い謂うなかれ、大怠俾(使役、せしむ)るなかれ。
言うべからざるを言う勿れ、由(よし)なくして語る勿れ。
醉の言に由るは童羖を出でしめる。
三爵(三杯の杯)で識らず、矧(=況、又:いわん)や敢えて多く又(また)せんや。

 

{口語訳}
凡そ飲酒して、醉うひとと酔わないひとがいる。
だから目付けを立て記録係りの助けを得て、
だれそれは醉えば悪酔いする、
醉わないことを恥とする(など知っておかねばならない。)

だから(そんな人に)従ってものを謂って、大失敗などしないよう(させないよう)。
言うべからざるを言う勿れ、事情理由も知らぬことは語る勿れ。
醉っぱらうと童羖(どうこ、幼児)に戻ってしまうものだ。
酒三杯で記憶をなくす(こともあるから)敢えてそれ以上飲まぬこと飲ませぬこと(かな)。

 

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{意解}
「詩経」にある「賓之初筵/ひんししょえん」と題する詩の一節。
言うべきでないことは言うな、
理由のないことはみだりに口にするな、という意味。

 酒の席での乱れを戒めた言葉だという。

 誰でも、つい調子に乗って、言ってはならないことを口を滑らし、
相手の心を傷つける、そういった体験をしたことがあるに違いない。

 そんなケースが最も多く出るのが、酒の席である。
酔に駆られて不用意な一言を吐いたばかりに、
喧嘩口論、果ては刃傷沙汰に及ぶ場合も希ではない。

 中国には、「酒後吐真言」という俚諺(りげん)がある。
酔うと本音が出るという意味である。
 故に、彼らは酒の席でも極めて慎重で、
滅多なことは口にしない。

その点、日本では、少しぐらい口を滑らせても、
「酒の上でのことだから」と大目に見てもらえる。

 だが、物事には限度がある。
酒の上でも口を慎むのが賢明な処世というものだろう。

 

*「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。

 

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沈琳 二胡 女人花

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