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熱鬧ねっとうの中に一冷眼いちれいがんくれば、
便すなわ許多きょた苦心思くしんしはぶ

ー熱鬧中着一冷眼、便省許多苦心思ー     菜根譚 後集第五十八項

今回は「菜根譚」後集第五十八項 からの出典です。
(菜根譚:明の洪自誠の編。前集222項、人と交わり、事治、変に対応する道を説き、
後集135項、退静閑居の楽しみを論じる)

 

{原文}
熱閙中、着一冷眼、便省許多苦心思。
冷落処、存一熱心、便得許多真趣味。

 

{書き下し文}
熱閙(ねつとう)の中(なか)に一冷眼(いちれいがん)を着(つ)くれば、
便(すなわ)ち許多(きょた)の苦心思(くしんし)を省(はぶ)く。
冷落(れいらく)の処(ところ)に一熱心(いつねっしん)を存(そん)せば、
便ち許多の真(しん)の趣味(しゅみ)を得(う)る。

 

{口語訳}
忙しさに忙殺されている時に、冷静な目で物事が見えたら、
どれ程辛い思いをしなくて済むだろうか。
意気消沈の時に、情熱を以て物事に対処できたら、
どれ程の楽しさを味わえるだろうか。

 

saikontan

 

{意解}
「熱鬧」とは、慌ただしく動き回っている状態。
そういう中にあっても、冷静に辺りを見回すだけの余裕があれば、
随分と心のいらいらを解消することができる、という。

 ちなみに、「許多」は、たくさん、多く、
「苦心思」は、苦しい思い、という意味である。

 慌ただしく動き回っていると、どうしても気持ちが上ずってくる。
ミスも出やすく、事故も起こりやすい。
それを避けるためには、常に沈着な判断力を保つ必要がある。

 体は動き回り、頭は目まぐるしく回転していても、
心はいつも冷静でなければならない。
そのためにはまた気持ちに余裕が欲しいのだという。

「忙中閑有り」という。「閑」の時を持てれば一番良いのだが、
「忙中忙」の人は、普段から意識的に努力して
冷静な判断力を養っておく必要がある。

「菜根譚」のこの言葉は、「忙中忙」の我々には格好のアドバイスだろう。

 

*「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。

 

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沈琳 二胡 女人花

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