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うらみは深浅しんせんせず、それこころそこなうにいてす

ー怨不期深浅、其於傷心ー  戦国策 中山策

【戦国策:三十三篇。周の元王から秦の始皇帝までの戦国時代の謀臣、策士
らの活躍を各国別に編んだもの。前漢の劉向の編】

原文:
與不期衆少、其於當厄。
怨不期深淺、其於傷心。
吾以一杯羊羹亡國、
以一壺飡得士二人。

書き下し文:
あたうるは衆少しゅしょうせず、やくたるにいてす。
うらみ深浅しんせんせず、こころそこなうにいてす。
われ一杯いつはい羊羹ようこうもっくにほろぼし、
一壺いつこもっ二人をたり。

 

意解:
些細な怨みでも、相手の心を傷つければ、手ひどい報いを受ける、の意味。
こちらに其の気がなくても、たった一言で相手を傷つけ、
生涯の敵をつくってしまうこともある。

戦国時代に中山という小さな国があった。この国の王様があるとき、
国中の名士を招いて酒宴を催した。その席に、司馬子期という人物も招かれていたが、
たまたま羊のスープが足りなくなり、彼のところまで回ってこなかった。
怒った司馬子期は、楚の国に逃亡し、楚王をけしかけて中山を攻撃させた。
楚は大国であり、攻撃を受ければ、小国の中山など、ひとたまりもない。
中山の王(中山君)は国を捨てて他国に逃げ出す、其の道中に從う者二人に、
なぜ、逃げ出す私に從うのかと問うと、答えて、「父がかつて貧乏で飢えで苦しんでいる時、
あなたに壺飡(こさん|壺に入った食物)を頂いて助けていただいた、
その父が死ぬ時に、『中山君に事あらば、必ず行って助力せよ』と。
山中君は深くため息をつき、
「人に物を施すのは多い少ないかではなく、その人が困っている時に行うことである。
人の怨みを買うのは怨みが深いか浅いかではなく、その人の心を傷つけたかどうかである。
吾、一杯のスープで国をうしない、一壺の食物で二人の士を得た。」と。

こういった人間関係の機微は、現代でも同じであろう。

 

*「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。

 

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沈琳 二胡 女人花

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