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たるものとく

ー善吏者樹徳ー  韓非子 外儲説 左下 第三十三

【韓非子:二十五巻五十五篇。戦国時代の韓非の撰。先秦時代の法家の学を集大成し、
それに韓非の考えを加えたもの。はじめ「韓子」と称したが、
宋以後、唐の韓愈と区別するため「非」の字を加えたもの】

原文:
善为吏者树德
不能为吏者树怨。
概者、平量者也。
吏者、平法者也。
治国者、不可失平也。

書き下し文:
たるものとくう。
たざるたるものうらみをう。
がいは、りょうたいらにするものなり。
は、ほうたいらにするものなり。
くにおさめるものは、たいらにするをうしなうべからざるなり。

*概:あらまし、様子
*吏者:裁判官
*治国者:国を治める者
*平:公平(公正)

 

意解:
孔子の弟子の子皐しこう(子羔)が衛の国の裁判官をつとめていたとき、
一人の男を足切りの刑に処した。
刑を終えた男はやがて城門の番人にとりたてられる。

その後、衛の国に内乱が起こり、
身に危険の迫った子皐は城門から脱出しようとした。
すると、くだんの番人に呼び止められ、地下室に匿われて事なきを得る。

子皐が理由を尋ねたところ、番人はこう答えたという。
「私の罪は逃れようもないものでしたが、貴方様はお取り調べの時、
なんとか罪を免れさせてやろうと一生懸命のご様子でした。また、
罪状が確定して判決を申し渡される時には、
いかにも辛くてならぬといったお気持ちがありありと見て取れました。
あの時から、私は貴方様を徳としているのでございます。」

のちに孔子はこの話を聞いて、「善く吏たる者は徳を樹う」と語ったという。
上に立つ者には徳が必要だということである。

 

*「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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沈琳 二胡 女人花

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