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杞憂きゆう

ー杞憂ー  列子

【列子:八巻。戦国初期の鄭のひと列御冠の撰とされているが、
偽作説もあり。別名「沖虚真経」】

原文:
杞憂きゆう

書き下し文:
杞憂

 

意解:
むかし、杞という国のある男が、いまに天と地が崩れてきたらどうしようかと、
心配で夜もおちおち眠れなかった。見かねたある男が、
「天は気が積もってできているのだから、そんなに心配はないさ」
となだめたが、それでも心配でならない。
「でも、日や月や星が落ちてこないかね」
「いや、日や月や星もみな気でできている。たとえ落ちてきてぶつかっても、
怪我などするわけはないよ」

これを聞いて、男は初めて安堵の胸をなでおろしたという。
この話から「杞憂」(取り越し苦労)ということばが生まれたわけだが、はたして、
いらぬ心配(杞憂)であるのか必要な心配であるのか、それほど単純ではない。

この男の時代は、天地の崩壊は杞憂にすぎなかったが、現代では杞憂どころか、
はなはだ現実味を帯びた話になっている。
杞の男の心配を笑うことはできない。

 

*「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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沈琳 二胡 女人花

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