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われうまばば、これをうまわん

ー呼我馬也、而謂之馬ー  莊子 天道篇

【荘子:三十三篇。戦国中期の道家荘周とその一門の思想を記したもの。
荘周の撰。外・内・雑編から成り、内編七編以外の大部分は、
後人の仮託になるものといわれている。「南華新経」ともいう】

原文:
昔者、
子呼我牛也、而謂之牛、
呼我馬也、而謂之馬。

書き下し文:
昔者きのふ
子我を牛と呼ばば、すなはこれを牛と謂ひ、
われうまばば、これをうまわん。

 

意解:
ある男が老子の評判を聞いて会いに来た。
ところが、家中乱雑に散らかっていて、
人間の暮らしとも思われない。かれは、さんざん毒づいて帰っていったが、
翌日また会いにきて昨日の非礼をわびた。すると老子はこう語ったという。

「きみは知者だの聖人だのといった懸念にわずらわされているようだが、
わたしはそんなものはとっくに卒業したつもりだ。昨日、
もしきみがわたしを牛だと言ったら、わたしは自分を牛だと認めただろう。
馬だと言ったら、やはり馬だと認めただろう(我を馬と呼ばば、これを馬と謂わん)。
人がそう言うからには、それなりに根拠があってのことだ。
それをいやがって逆らったりすれば、いっそうひどい目にあうものさ。
わたしはいつだって逆らったりはしないよ」

何ものにもとらわれない生き方ということだ。ここまで達観できれば、
人生の味わいもまたいちだんと楽しいものになるかもしれない。

 

*「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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