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綸言、汗の如し|中国古典 名言に学ぶ

第八章 綸言りんげん、汗あせの如ごとし ー綸言如汗ー  礼記 緇衣篇・漢書 劉向伝 【礼記:四十四篇。周末秦漢時代の礼に関する理論及び実際を 記録編集したもの。前漢の戴聖によって伝えられた。 「小戴礼」又は「戴記」といわれる。五経の一つ】 【漢書:百二十巻。前漢の歴史を記録した正史。後漢の班彪と、 その子班固、班昭の撰】 原文:礼記 緇衣篇 子曰、 王言如絲、其出如綸。 王言如綸、其出如綍。 原文:漢書 劉向伝 詩云、我心匪石、不可轉也。 言守善篤也。 易曰、渙汗其大號。 言號令如汗、 汗出而不反者也。 書き下し文:礼記 緇衣しい篇 子曰しいわく、王おうの言げん絲いとのごとく、其その出いずるや綸りんのごとし。 王おうの言げんは綸りんの如ごとくなれば、その出いずるや綍ふつの如ごとし。 書き下し文:漢書 劉向りゅうきょう伝 詩しに云いわく、「我わが心こころは石いしに匪あらず、転てんずべからず」と。 言げんは善ぜんを守まもること篤あつきなり。 易えきに云いわく、「渙かんするときは其その大号たいごうを汗あせにす」と。 言げんは号令ごうれい汗あせのごとくにして、 汗あせは出いでて反かえらざる者ものなり。 意解: 「綸言りんげん」とは天子のことばである。 それは汗のようなものだという。 天子の言葉は、一度口から出れば取り消せないことのたとえである。 「綸言りんげん、汗あせの如ごとし」 この故事成語は『礼記』が出典の「綸言」と、 『漢書』が出典の「汗のごとし」とが合わされて出来たものと思われる。 汗というのは、一度自分の体から出てしまうと、二度と戻ってこない。 それと同じように、天子のことばも、一度自分の口から出てしまうと、 もはや取り消しができない。 故に、トップ(天子)は、 くれぐれも発言を慎重にしなければならないというのが、 「綸言、汗の如し」の意味である。 これはトップに限ったことではなく、平社員から課長、課長から部長、 重役と地位が上がっていくにつれて、発言の重みが違ってくる。 故に、発言はいっそう慎重にしなければならないといっている。 リーダーは、主張するべきときは断固として主張しなければならない。が、 深い考えも無く、言葉に出し、やたら失言や、 言ったことの撤回をやっているようでは、 これまたリーダーの資質が問われるところである。 易経 繋辞上伝 第八章 中孚二爻に「言行は君子の枢機なり」とあり。言行げんこうは君子くんし(人格者)にとって枢機すうき(かなめ。要所。)のように重要なもの。発する一瞬いっしゅんが、栄誉えいよか恥辱ちじょくかどちらかを決める。発言と行動にはふだんからくれぐれも慎重を期さなければならないといった意味になる。地位が高くなるにつれて、発言と行動にはいっそうの自戒じかいが望まれるということだ。 *参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、 自分なりに追記や解釈して掲載しています。 私たちは、日々、何をするにしても 大なり小なり、決断(選択)をしている その折々に思い出し、 より善い選択(決断)ができるように 貴方も私も 在りたいですね。

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