温温たる恭人はこれ徳の基なり

第二章

温温おんおんたる恭人きょうじんはこれ徳とくの基もとなり

ー温温恭人維徳之基也ー　　　詩経
（詩経：中国最古の詩集。周初から春秋時代中ごろまでの詩を集めている。
現存するものは三百五篇。五経の一つで、初めは単に「詩」といったが、
宋代以降「詩経」と呼ばれるようになった。）

｛原文｝
温温恭人、
維徳之基也。

｛書き下し文｝
温温おんおんたる恭人きょうじん、
これ徳とくの基もとなり。

温温たる恭人はこれ徳の基なり

｛意解｝
　「温温おんおん」は穏おだやか、柔和にゅうわ。「恭人きょうじん」は自分に対しては、慎つつしみ深く、
人に対してはうやうやしいこと。 それが「徳とくの基もと」だという。 　
これは「詩経」の中の一詩である。初めは単に「詩」であったが、宋代以降「詩経」と呼ばれるようになった。 　人は、誰しも人の優しさ、暖かさに惹ひかれ、人の冷たさ、厳きびしさ、傲慢ごうまんさは近づく人をも遠ざけてしまう。 　

　孔子は弟子の「一語で、一生それを守っておれば間違いのない人生が送れる、 そうゆう言葉はありましょうか」の問いに「恕じょか」と答えている。 他を受け入れ、認め、許し、その気持ちを思いやる、自分のことと同じように人のことを考える。それが「恕じょ」が現す価値である。

そう語る孔子に「恭きょうなれば則すなわち侮あなどれず」と言わしめている「恭きょう」も重要なキーなのかもしれない。 そして、　「詩」から「詩経」へと呼ばれるようになった所以ゆえんの一つかもしれない。

＊参考資料：「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。

私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断（選択）をしている
その折々に思い出し、
より善い選択（決断）ができるように
貴方も私も　在りたいですね。