第二章 自己を高める
知ること艱きにあらず、行うことこれ艱し
ー非知之艱、行之惟艱ー 書経
(書経:二十巻。「尚書」のこと。五経の一つ。堯、舜の伝説時代から夏、殷を経て、周代に至る間の政治に関する記録。初めは単に「書」といったが、宋代になって「書経」と呼ばれるようになった。)
{原文}
非知之艱、
行之惟艱。
{書き下し文}
知ること艱きにあらず、
行うことこれ艱し
{意解}
頭の中で理解するだけなら、それほど難しいことではないが、
それを実行するのは容易なことではない。
「行難而学易:行なうは難く而して学は易し」も意味は同じである。
(殷の高宗に仕えた名宰相、傅説が、高宗を戒めたことば)
何か調べ事をする時には、図書館や何件かの本屋を回って
書き写したことも思い出される。以前はそうやって
一つのことを知るのに 時間と労力をかけたものである。
今は、ネットで検索すれば、時間と労力をかけずに より深く、
付随した事柄までもが、簡単に得ることができる。
本当に便利になったものである。 が、
時間と労力を費やして得た知識は なかなか忘れないもの。
「事上」で必要な時には、 思い浮かびやすいように思われる。
それに比べ、ネットで簡単に検索、入手できた知識は
なかなか「事上」で必要な時に浮かんでこないのである。
特に、漢字を書く時に直に思い出せない。
(私の取り組み方に問題があるのかもしれないが・・・)
便利になったことには本当に感謝しているが、私的に身に付き難く感じる。
備考:五経
詩経(毛詩)
書経(尚書)
礼経(礼記)
易経(周易)
春秋経(春秋左氏伝)
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。