怨みに報いるに徳を以ってす|報怨以徳|老子 第63章|

第一章 大きく生きる

怨みに報いるに徳を以ってす50,96

第一章 大きく生きる

 


うらみにむくいるにとくってす

ー報怨以徳ー   老子 第63章
(老子:二巻八十一章。道家の祖。老耽の撰と伝えられるが、老耽が実在したか否かは明らかではない。人為、虚飾を去って、無為自然であるべきことを説いている。別名「道徳経」)

{書き下し文}

無為むいをなし、無事ぶじこととし、無味むみを味わう。
小を大とし少を多とし、うらみにむくゆるにとくをもってす。
かたきをそのやすきにはかり、大をその細になす。
天下の難事は必ず易きよりおこり、
天下の大事は必ず細よりおこる。
ここをもって聖人はついに大をなさず。故によくその大を成す。
それ軽諾けいだくは必ず信寡しんすくなく、
易きこと多ければ必ず難きこと多し。
ここをもって聖人すらなおこれをかたしとす。
故についにかたきことなし。

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