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小吏に接するにもまた礼を以ってす|中国古典 名言に学ぶ

第二章 小吏しょうりに接せっするにもまた礼れいを以もってす ー接小吏亦以礼ー   宋名臣言行録 (宋名臣言行録:二十四巻。前集十巻、後集十四巻は南宋の朱熹の撰。 続集八巻、別集二十六巻、外集十七巻は李幼武の補。宋代名臣の言行を集めたもの) {原文} 接小吏亦以礼。 {書き下し文} 小吏しょうりに接するにもまた礼を以ってす。 {意解}   自分よりも地位や、身分の低い者、部下に対しても、 礼を以て接する、という意味である。    宋代の太祖に仕えた将軍に曹彬そうひんという人物がいた。 ここぞという時には必ずこの人が総司令官に起用され、 天下統一後は軍事面の最高責任者に任命されている。   太祖の厚い信頼を得ていたのである。 むろん能力が優れていたからではあるが、単にそれだけではない。 彼の執務しつむぶりで、その理由がよくわかる。   彼は、朝廷で執務するときは、 最高責任者の地位にありながらも いつも謙虚けんきょな姿勢をとり、 「小吏に接するにもまた礼を以ってし、 いまだかつて名を以って呼ばず」 であったという。   今風に言えば、 どんな相手でも呼び捨てにしなかったという。 また、夜が明けるやいなや、 皇居こうきょに駆かけつけて朝見ちょうけんの時刻を待ち、 一日として怠おこたらなかったといわれている。 この人物が太祖の信頼を勝ち取ったのは、 一、謙虚 一、精励 この二つの理由によるところが大きかった。 これはいつの時代でも望まれる事なのかもしれない。 大学の「修身」の中に出てくる一文にも、自分を鍛えようとする自覚的な努力を促する ”自己啓発のすすめ”の言葉がある。 備考: * 歳を重ねて社会的なポジションが上がるほど、 横柄な態度になってしまうこともありますが、 私が知る限り、周囲から一流と呼ばれる人ほど、 謙虚であれと自らに言い聞かせていらっしゃる気がします。 (田崎真也の名言|謙虚であれと自らに言い聞かせることの大切さ) * 企業のトップに必要な条件とはなんでしょう。 決断力は言うまでもありませんが、 私は明るく元気で謙虚であることが とても大事だと思っています。 知性も大切ですが、それが過ぎると、 ついひけらかして周りを暗くさせてしまうし、 問題の細かいところまで見えすぎて迷いが多くなったりします。 自分のことを頭がいいと思っている人は自戒すべきですね。 (樋口廣太郎の名言・格言|リーダーは明るく、元気で、謙虚であれ) * 称讃された時ではなく、 叱責しつせきされた時に謙虚さを失わない者こそ 真に謙譲けんじょうな人間である (ジャン・パウル|ドイツの小説家) * 人間は高慢こうまんな思いをいだくべからず。 高慢は花をつけ破滅はめつの種を実らせる。 実りの秋はとめどなき、涙を刈り取る (アイスキュロス|ギリシャの哲学者) *参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、 自分なりに追記や解釈して掲載しています。 私たちは、日々、何をするにしても 大なり小なり、決断(選択)をしている その折々に思い出し、 より善い選択(決断)ができるように 貴方も私も 在りたいですね。

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