兵を用うるの害は猶予最大なり|用兵之害猶予最大|呉子 治兵第三|
第八章 リーダーの心得
兵を用うるの害は猶予最大なり
ー用兵之害猶予最大ー 呉子 治兵第三
【呉子:一巻。春秋戦国時代に著されたとされる兵法書。武経七書の一つ。撰者は不明。「孫子」とならぶ兵法書】
原文:
用兵之害猶予最大、
三軍之災生於孤疑。
書き下し文:
兵を用うるの害は猶予最大なり、
三軍の災いは孤疑に生ず。
意解:
「猶予」とは、グズグズためらうこと、優柔不断である。
それが軍を率いる将帥にとっては、最大の欠点だと言っている。
戦場は命がけの場であり、一瞬の判断ミスが生と死を分けるのである。
ましてや、決断すべき時に、きちんと決断できないようでは、
兵に不安と猜疑心が生じてしまう。
これは、軍の将帥だけでなく、組織のリーダーについても、
同じことが当てはまる。
一般に誤りのない的確な決断を下すには、豊富な情報を必要とする。
片寄った情報に基づいていたのでは、誤った決断を下しやすい。
しかし、情報は多いほど善いというものでもない。
雑多な情報に振り回されていたのでは、
かえって誤った決断を下すことにもなりかねないのである。
そこで望まれるのが、どんなピンチにも動じない冷静な判断力であろう。
これがあってはじめて的確な決断が下せるのである。
これは現代の企業経営の管理職にも、そっくり当てはまるかもしれない。
一つ一つの選択(決断)が後の企業の存続を左右する事を、
肝に命じて決断(選択)をしてほしいものである。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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