苛政は虎よりも猛し|苛政猛於虎|礼記|重税や厳しい刑罰の政治
第三章 社会を考える
苛政は虎よりも猛し
ー苛政猛於虎ー 礼記
(礼記:四十四篇。周末秦漢時代の礼に関する理論及び実際を記録編集したもの。前漢の戴聖によって伝えられた。「小戴礼」又は「戴記」といわれる。五経の一つ)
*苛政(人民に対する厳しい政治)の人民への害は、 虎の害よりはなはだしい。悪政、失政を省みる時に 使われる一文である。
{書き下し文}
孔子泰山の側を過ぐ。
婦人墓に哭する者有りて哀しげなり。
夫子式して之を聴き、
子路をして之に問わしめて曰く、子の哭するや、
壱に重ねて憂い有る者に似たり、と。
而ち曰く、然り。
昔者吾が舅虎に死し、
吾が夫又死し、 今吾が子又死せり、と。
夫子曰く、何為れぞ去らざるや、と。
曰く、苛政無ければなり、と。
夫子曰く、小子之を識せ、
苛政は虎よりも猛なり、と。