世に伯楽あり、然る後に千里の馬あり|文章規範 韓愈 雑説|

第六章 成功の心得

世に伯楽あり、然る後に千里の馬あり

第六章 成功の心得

 

世に伯楽はくらくあり、しかる後に千里の馬あり

ー世有伯楽、然後有千里馬ー    文章規範 韓愈 雑説
{文章規範:七巻。宋の謝枋得しゃぼうとくの編。科挙受験者のために規範となりうる分を集めたもの。諸葛孔明の「出師すいしの表」と陶淵明とうえんめいの「帰去来辞ききょらいのじ」以外は、唐宋の文を選んでいる}

{書き下し文}

世に伯楽はくらく有りて、然る後に千里の馬有り。
千里の馬は常に有れども、伯楽は常には有らず。
故に名馬有りといへども、だ奴隷人の手にはずかしめられ、
槽櫪さうれきの間に駢死へんしして、千里をって称せられざるなり。

槽櫪さうれき:馬小屋。
駢死へんし:首を並べて死ぬこと。

世に伯楽あり、然る後に千里の馬あり