三十六策、走るをこれ上計とす|三十六策,走是上計|南斉書|
第六章 成功の心得
三十六策、走るをこれ上計とす
-三十六策,走是上計- 南斉書 王敬則伝
{南斉書:五十九巻。南朝梁の蕭子顕の撰。南朝斉の正史。「斉書」ともいう。}
【原文】
敬則曰、
檀公三十六策、
走是上計。
【書き下し文】
王敬則曰く、
檀道済の策、
走るをこれ上計とす。
【意解】
南北朝時代に活躍した檀道済という将軍の戦いぶりを評した言葉だという。
普通に「三十六計、逃げるにしかず」と言っているが、元はこの表現である。
多くの戦略戦術の中で、三十六策(計)、逃げるのが上計(上手な戦い方)
の理由として、勝算が無いのに、戦って負けたのでは、元も子もない。
勝算が無いと判断したら、撤収して戦力を温存しておけば、
勝機は巡ってくる、という考え方である。
敵との戦闘が不利な状況においては、降伏してしまうか、
停戦(和)を請うか、逃走するかである。
降伏は完全な敗北である。
停戦は(交換条件を与えねばなず)半分敗北になる。
しかし、退却して勢力を保ったならばそれは敗北ではない(挽回が可能である)。
勝利が不可能と認識したときに退却して損害を回避するのも、
指揮官として必要な判断力だろう。
戦国策 燕策に「禍を転じて福となす」とある。
禍も失敗も人生にはつきものである。
普通の人なら誰でも一度や二度は災いに見舞われたり、
失敗をおかしたりして逆境を経験している。一度や二度の失敗で
意気消沈していたのでは、浮上するチャンスを見逃してしまう。
そんな時こそ、「禍を転じて福と成す」である。災にしても、逆境にしても、
原因があり、その結果である。それを真摯に受け止め、
より以上に高みに登れる自分を信じて、
スキルアップを、足りぬ徳を身につけ、
自分をより大きく育てるチャンスに思われる。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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