第六章 成功の心得
小利を見れば、則ち大事成らず
ー見小利則大事不成ー 論語 子路第十三
(論語:十巻二十編。孔子や孔子の門弟の言行を記したもの。儒家の聖典とされている。四書の一つ。)
{原文}
子夏爲莒父宰。
問政。
子曰。無欲速。
無見小利。
欲速則不達。
見小利則大事不成。
{書き下し分}
子夏、莒父の宰と為り、
政を問う。
子曰く、速やかならんと欲すること無かれ。
小利を見ること無かれ。
速やかならんと欲せば、則ち達せず。
小利を見れば、則ち大事成らず。
{意解}
孔子の弟子の子夏が莒父という町の長官に任命された時、
政治の取り組み方について孔子に助言を求めた。
孔子は次のように答えている。
「速やかなることを欲するなかれ。小利を見るなかれ。
速やかならんと欲すれば、則ち達せず。
小利を見れば、則ち大事成らず。」
訳せば、
「あせらないこと、そして小利に惑わされぬことだ。焦ると失敗するし、
小利に惑わされると大きな仕事をやり遂げることができない」と。
この助言は、政治だけでなく、どんな仕事についてもあてはまる。
短期ではなく長期的な目標をたて、それに向かって着実に一歩ずつ前進する。
そうすれば、焦ることもなく、小利に惑わされることもないだろう。
凡庸な助言だが、的をはずさないのが孔子である。
列子 湯問編に「愚公、山を移す」とある。
この「愚公、山を移す」の寓話が言わんとするところは、
1.長期的な視野
2.ユックリズム
の二つである。愚公のように、長期的な展望の上に立って、
焦らず、慌てず、着実な前進を心がけることが、
結局は成功の近道なのかもしれない。
*凡庸:平凡なこと
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。