第七章　人と接するための心得

第七章　人と接するための心得

 

利りを以もって合がつする者ものは、窮禍患害きゅうかかんがいに迫せまられて相棄あいすつ

ー以利合者、迫窮禍患害相棄也ー　　莊子 外篇 山木第二十
【荘子：三十三篇。戦国中期の道家荘周とその一門の思想を記したもの。荘周の撰。外・内・雑編から成り、内編七編以外の大部分は、後人の仮託になるものといわれている。「南華新経」ともいう】

書き下し文：

利りを以もって合がつする者ものは、窮禍患害きゅうかかんがいに迫せまられて相棄あいすつ、
天てんを以もって属ぞくする者ものは、窮禍患害きゅうかかんがいに迫せまられて相収あいおさむ。
夫それ相收あいおさむると、相棄あいすつるとは、亦また遠とおし。
且かつ君子くんしの交まじわりは淡あわきこと水みずのごとく、
小人しょうじんの交まじわりは甘あまきこと醴れいのごとし。
君子くんしは淡あわくして以もって親したしみ、小人しょうじんは甘あまくして以もって絶たつ。
彼かの故無ゆえなくして以もって合あう者ものは、則すなわち故無ゆえなくして以もって離はなる。

＊窮禍患害きゅうかかんがい：どん底の状態