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変に処しては、まさに百忍を堅くして、以て成るを図るべし|菜根譚|

変に処しては、まさに百忍を堅くして、以て成るを図るべし50,96 第七章 人と接するための心得
変に処しては、まさに百忍を堅くして、以て成るを図るべし50,96

第七章 人と接するための心得

 

へんしょしては、まさに百忍ひゃくにんかたくして、もっるをはかるべし

ー処変当堅百忍以図成ー  菜根譚 前集百十八
【菜根譚:明の洪自誠編。前集222条では人との交わり、事治、対応の道を説き、後集135条では退静閑居の楽しみを論じている】




原文:

衰颯的景象、就在盛満中。
発生的機緘、即在零落内。
故君子、
居安宜操一心以慮患、
処変当堅百忍以図成。




書き下し文:

衰颯すいさつ景象けいしょうは、すなわ盛満せいまんなかり。
発生はっせい機緘きかんは、すなわ零落れいらくうちり。
ゆえ君子くんしは、
やすきにりては、よろしく一心いっしんりてもっうれいおもんばかるべく、
へんしょしては、まさに百忍ひゃくにんかたくして、もっるをはかるべし。

変に処しては、まさに百忍を堅くして、以て成るを図るべし50,96

変に処しては、まさに百忍を堅くして、以て成るを図るべし50,96




意解:

衰退すいたいきざしは隆盛りゅうせいの時に始まり、
芽吹めぶきは葉が枯れて落ちる時に始まっている。
だから君子たる者は、繁栄はんえいしている時に、
後日の異変いへんそなえ、困難こんなん遭遇そうぐうしたときは、
ひたすらしのんで初志しょしつらぬかねばならない。

へん」とは、言わば人生の踏ん張りどころである。
そこで必要になるのが「百忍ひゃくにん」だと言っている。
局面きょくめん打開だかいして目的を達成するために必要なのは、
ねばって粘って粘り抜くこと。「百忍ひゃくにん」ということばには、
そういう粘り強さがなければ、
新しい展望を開くことはできないという意味が込められている。
「百回でも耐え忍ぶ強さを持つ」
初志を貫くためには、何回でも耐え忍ぶ強さは必須ひっすである。

晋書に「苦中の苦を受けざれば、人の上の人たること難し」ともある。
世の中のには、自分の思いどうりにならないことが七、八割もある。
とくに、組織の中で生きている人ほど、この嘆きは深刻であるかも知れない。
人生には、どんなに努力し、どんなに苦労しても報われないことが多い。
しかし、そのことを肝に銘じながらも・・・
努力を怠らないことが肝心なようである。

*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。

私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。