心、虚ならざるべからず|心不可不虚|菜根譚 前集 75項|

第二章 自己を高める
心、虚ならざるべからず
ー心不可不虚ー 菜根譚 前集 75項
【菜根譚:明の洪自誠編。前集222条では人との交わり、事治、対応の道を説き、後集135条では退静閑居の楽しみを論じている】
原文:
心不可不虚。
虚則義理来居。
心不可不実。
実則物欲不入。
書き下し文:
心、虚ならざるべからず。
虚なれば則ち義理来たり居る。
心、実ならざるべからず。
実なれば則ち物欲入らず。
*義理:正しい道理

意解:
心を雑念で満たしてはならない。
雑念が詰まっていなければ、そこに道理が入ってくる。
心はいつも充実させておかなければならない。
充実させておけば、物欲の入り込む余地がなくなる。
良き時も、悪しき時も、
心に喜びを、心に豊かさを、
心に優しさをもてるようにありたいですね。
老子 第46章に「禍は足るを知らざるよりも大なるはなし」とある。
満足を知らないことより大きな災いはなく、
欲しがることより大きな過ちはない。ゆえに、
足るを知るとは あるがままの現実に常に満足することだという。
人間の欲望は必ずエスカレートする。 欲望の赴くところは際限を知らない。
そんな欲望に引きずられて突っ走れば、 いずれは必ず足を踏み外す。
これが「老子」の認識であり、中国人の認識であった。
「菜根譚」にも
* 欹器以満覆、撲満以空全。 欹器は満つるを以って覆えり、
撲満は空しきを以って全す。
* 花看半開、酒飲微酔 花は半開を看、酒は微酔に飲む 何事もほどほどがよい、
という。
足ることを知る「知足」は すべての物事に溢れている現代においては
特に心に戒めておく言葉に思う。(吾唯足知)
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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