第六章 成功の心得
胆は大ならんことを欲し、心は小ならんことを欲す
ー胆欲大而心欲小ー 近思録
{近思録:十四巻。宋の朱熹・呂祖謙の共著。宋の学者、周廉渓・程明道・程伊川の著書や語録の中から六百二十二条を選んだ、初学者用のテキスト。}
{原文}
胆欲大、
而心欲小。
{書き下し分}
胆は大ならんことを欲し、
心は小ならんことを欲す。
{意解}
胆力(肝っ玉)は大きく、心は小さく、
大胆かつ細心(慎重)であれ(胆大心小)という。
矛盾しているように思えるかもしれないが、何事においても、
この両面を持ち合わせていないと、成し遂げることはできない。
どんな仕事にも山あり谷あり、善い時も、そして悪い時にもめぐりあう。
そんなときに必要とされるのが、困難にも負けない精神力、
それが「大胆」ということ。
しかし、「大胆」であれといっても、無鉄砲では困る。
それではむしろ自滅の道をたどりかねない。
「大胆」であり、かつ繊細な調査、慎重な思考、
そして細心の配慮が必要である(胆大心小)。
この二つの条件を身につければ、
大抵の事は成し遂げることは可能に思える。
通俗編は、「苦中の苦」すなわち極限状態の苦労を体験した人物でなければ、
人の上に立つ資格がないという。 そういう体験をすれば、 その体験から、
人の苦悶、苦悩、不遇も理解できるし、人を見る目も練れてくる、
逆境に耐えるたくましさも身についてくる。こういう人物は 上に立つ、
云々以前の 人としての畏敬に値する。と言っている。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。