欲あれば即ち剛なし|有欲則無剛|近思録|剛は美徳の一つである。

第二章 自己を高める
欲あれば即ち剛なし
ー有欲則無剛ー 近思録
(近思録:十四巻。宋の朱熹・呂祖謙の共著。宋の学者、周廉渓・程明道・程伊川の著書や語録の中から六百二十二条を選んだ、初学者用のテキスト。)
{原文}
有欲則無剛
{書き下し文}
欲あれば即ち剛なし

{意解}
この一文での「剛」のつよさは、同じ「剛」でも自分が正しいと信じたことは
あくまでも主張して譲らないつよさ、激しい風雨にもビクともしないで、
悠然とそびえ立っている樹のつよさを指している。
勿論、美徳の一つである。
あるとき、孔子が「吾、未だ剛なる者を見ず」 と嘆いたところ
「申悵という男はどうですか」と 聞く者がいた。
孔子は答えて「悵や慾あり。いずくんぞ剛なるを得ん」
あの男には欲がある、
あれでは剛にはなれぬと答えている。
私欲が入ると、剛は失われてしまう。
なぜなら、私欲に惹かれて妥協に走るからだと。
この「近思録」の一文は
「論語」にある この話を受けてのことかもしれない。
巧言令色、鮮し仁:論語 学而第一、陽貨第十七、公冶長第五
剛毅木訥、仁に近し:論語:子路第十三
*「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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