第六章 成功の心得
愚者は成事に闇く、 智者は未萌に見る
ー愚者闇於成事、知者見於未萌ー 戦国策 趙策二
{戦国策:三十三篇。周の元王から秦の始皇帝までの戦国時代の謀臣、策士
らの活躍を各国別に編んだもの。前漢の劉向の編。}
{原文}
愚者闇於成事、
智者見於未萌。
{書き下し分}
愚者は成事に闇く、
智者は未萌に見る。
{意解}
「成事に闇い」とは、事態が顕著に現れてきても、
その事に気ずかないということ。
これでは、「愚者」といわれても返す言葉もない。
対して、「智者」は、「未萌」に見ることができる人だという。
「未萌」とは、「いまだ萌さず」、事態が表に現れてくる前の段階。
その萌す前の段階で、動きを察知し、適切な対応を取れる人、
そんな人が「智者」だという。
振り返れば、「後知恵」となり、「あの時に、こうすればよかった」
「こう云えば、よかった」と、後に後悔することのなんと多いことか。
思うに、「未萌」に思い至れば、今より有利に
後悔の少ない人生を辿れたことは確かである。
韓非子 喻老に
「千丈の堤も螻蟻の穴を以って潰ゆ」とある。
「千丈」とは高いことの形容。そんな堂々たる堤防も、
螻や蟻の掘った小さな穴から崩れてしまう。ゆえに、
どんな些細なことでも見逃さず、早め早めに手を打ち(早期対応)、
禍を未然に防がなければならない。そんな心構えがなければ、
とうてい大きな仕事を成し遂げることはできないのだと云っている。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。