勝に急して敗を忘るるなかれ|無急勝而忘敗|荀子 議兵篇|

第六章 成功の心得
勝に急して敗を忘るるなかれ
ー無急勝而忘敗ー 荀子 議兵篇
(荀子:二十巻。戦国時代末期の学者、荀況の書。荀況は孟子に次ぐ大儒。孟子の性善説に対して、荀況は性悪説を唱えた。)
{原文}
無欲將而惡廢
無急勝而忘敗
無威内而輕外
無見利而不顧其害
凡慮事欲孰而用財欲泰
夫是之謂五權。
{書き下し文}
將に欲して廢を惡するなかれ
勝に急して敗を忘るるなかれ
内に威して外を輕するなかれ
利に見して其害を不顧なかれ
孰れの事欲も凡慮し、泰く財欲を用す
是夫の五權と謂ふ。

{意解}
「荀子」の議兵篇に、将の心得五項目が記されている。
1.解任を恐れて地位に固執してはならない。
2.勝ちを焦り、負けた時のことを忘れてはならない。
3.内部での威光、信望を高めることに目を奪われ、
外敵の存在を忘れてはならない。
4.勝っている点のみを見て、劣っている点を忘れてはならない。
5.いずれの計画、作戦も多面より考慮し、経費を惜しんではならない。
「勝ちに急して敗を忘るるなかれ」は、2番目の項目である。
もしもの時、負けた時のことも想定して、その対応策も立てておくべきだと言っている。
退路の用意も考えておけば、痛手も少なく食い止めることが出来ると言うものである。
勝算が無いと判断したら、撤収して戦力を温存しておけば、勝機は巡ってくる、
という考え方である。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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