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功を建て業を立つるは、多くは虚円の士なり|菜根譚 前集194項|

功を建て業を立つるは、多くは虚円の士なり 第六章 成功の心得
功を建て業を立つるは、多くは虚円の士なり

第六章 成功の心得

 

こうぎょうつるは、おおくは虚円きょえんなり

ー健功立業者、多虚円之士ー  菜根譚 前集194項
【菜根譚:明の洪自誠編。前集222条では人との交わり、事治、対応の道を説き、
後集135条では退静閑居の楽しみを論じている】




原文:

建功立業者、
多虚円之士。

僨事失機者、
必執拗之人。




書き下し文:

功を建て業を立つるは、
多くは虚円の士なり。
事をやぶり機を失うは、
必ず執拗の人なり。

功を建て業を立つるは、多くは虚円の士なり

功を建て業を立つるは、多くは虚円の士なり




意解:

事業を成功させ、功績を立てるのは、素直で機転のきく人物だ、と。
続けて「事を僨り機を失うは、必ず執拗の人なり」事業を失敗させ、
チャンスを逸するのは、きまって強情で融通のきかない人物だと言っている。

虚円きょえんの士」とは、既成の固定観念にとらわれず、
情勢の変化に柔軟に対応できる能力で、
危機管理能力に長けたタイプの人物だと言える。

対し、「執拗しつよう」とは、自分の考えに固執する強情な性格ゆえ、
流動する情勢に柔軟に対応できない。故に、明暗が分かれるのも明白である。

若いときは「虚円」でも、年をとると「執拗・強情」になる、又、
若いときは「執拗・強情」でも、年をとり、事上に在って磨かれ「虚円」になる。
如何なる時も、学ぶ謙虚な心が有れば変われるものである。

十八史略 巻三 東漢に「時務を識るは俊傑に在り」とある。
時務じむる」とは、現代とはどういう時代なのか、
時代の流れをしっかりとつかみ、そのなかで何をなすべきかを
知っていること。それができるのが、すなわち「俊傑しゅんけつ」なのだといい、
諸葛亮を取り上げている。

*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。

私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。