君子は交わり絶ちても悪声を出ださず|君子交絶不出悪声|史記|

第七章 人と接するための心得
君子は交わり絶ちても悪声を出ださず
ー君子交絶不出悪声ー 史記 楽毅伝
【史記:百三十巻。前漢の司馬遷が撰した、中国最初の通史。上古の黄帝から、漢の武帝までの歴史を紀伝体で記されている】
原文:
古之君子、
交絶不出悪声、
忠臣去国、
不潔其名。
書き下し文:
古の君子は
交わり絶ちても悪声を出ださず、
忠臣は国を去るも、
その名を潔くせず。
口語訳:
昔の君子は交わり絶ちても悪口を言わず、
忠臣は国を出るときに、
自分には落ち度がなかったなどと自己弁護しない。

意解:
何らかの理由で交友関係を絶つことになっても、
その人への非難・誹謗めいたことは口にしない事が、
君子の交わりだと言っている。
中国では、信頼できる人物だと解るまでは、心を開かない。
それを確かめたところで、友人としての付き合いが始まる。
しかし、いったん心を開くと、どこまでも信頼する。
友人と何らかの事情で疎遠になったとしても、
決して相手の悪口は言わない。
他人への悪口はやがて本人の耳に届くもの、
そんな人と交友関係を持った事は、
自分の人を見る目がなかったことを露呈し、
かえって自分の評価を下げることになる。
「悪口雑言」は相手・自分・聞いた人に不快感を与え、
マイナスにしかならないのである。
菜根譚 前集106項にも
「人の小過を責めず、人の陰私も発かず、人の旧悪を念わず」とある。
人間には思いやりが必要である。
これがないと、人間関係はうまくいかない。
1.人の小さな過失は咎めない。
1,人の隠し事は発かない。
1.人の古傷は忘れてあげる。
他人に対してこの三つのことを心がければ、
自分の人格を高めるだけでなく、
人の恨みを買うこともない。と言っている。
「努々忘るるなかれ」心に留めておきたいですね。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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