二人心を同じうすれば、その利、金を絶つ|易経 繋辞上伝|

第七章 人と接するための心得
二人心を同じうすれば、その利、金を絶つ
ー二人同心、其利断金ー 易経 繋辞上伝
【易経:「易」または「周易」ともいう。五経の一つ。卜筮の法によって、倫理道徳を説いたもの。上下の「経」と、その注釈篇である。「十翼」からなり、十翼は孔子の編と伝えられている】
原文:
子曰、
君子之道、或出或處、
或默或語。
二人同心、其利斷金。
同心之言、其臭如蘭。
書き下し文:
子曰く、
君子の道、あるいは出であるいは処り、
あるいは黙しあるいは語る。
二人心を同じくすれば、その利、金を断つ。
同心の言は、その香蘭のごとし。

意解:
孔子がいうには、
「君子の道は、世に出る者あれば、野におる者もあり、
黙っている者あれば、かたる者ある。
二人が心を同じくすれば、その鋭いさまは金を絶つ。
同心のことばは、その香りが蘭のようである」と語っている。
二人の男性が心を合わせて一致協力すれば、
硬い金属でも断ち切るような威力を発揮する(断金の交わり)という意味である。
男と男の固い友情を語っている。
続けて、「同心の言は、其の香り蘭のごとし」
心を合わせている二人が放つ言葉は蘭の香りがする、とまで言っている。
この二つを合わせて「金蘭の交わり」という言葉も生まれている。
人は一人では生きられない。
何をするにしても、理解してくれる協力者を得ることが成功の鍵となる。
まして、同じ目的を持つ者同士が手を組めば、
心強いものであり、他から見れば友情の薫る蘭が目に映るのでは。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません