第四章 着実に生きる
大富は命に由り、小富は勤に由る
ー大富由命、小富由勤ー 俚諺
原文:
大富由命、
小富由勤。
書き下し文:
大富は命に由り、
小富は勤に由る。
意解:
「命」とは、天命とか運命という意味である。
「勤」とは、勤勉である。
したがって、この俚諺(ことわざ)の意味は、
「小さな財産は勤勉によって得られるが、大きな財産は運命しだいだ」となる。
「命」とは、天の意志であり、人間の力ではいかんともしがたいものである。
たとえば、人間に寿命、貧富、禍福などは、すべて生まれる前から定まっており、
変更不可能なものだと考えられてきた。
多くの場合、この「命」が意識されるのは、
貧困、不幸、夭折(若くて死ぬこと)などの逆境に陥ったときである。
そんなとき、人々は、心のバランスを回復させる役割を
「命」に求め、これも「命」なのだと自分を納得させてきた。
だが、一方では、人間の努力も無視できない。そこで、
大筋では「命」の存在を容認しながら、その範囲内で
勤勉のメリットを強調しているのが、
この俚諺の趣旨だといってよいかもしれない。
易経 繋辞上伝 第四章に「天を楽しみ、命を知る、故に憂えず」とある。
天地宇宙の変化を楽しみ、己の使命(天命)を自覚し受容する、
ゆえに目先の現象に一喜一憂しない。昔から中国人は、
人間社会のもろもろの現象は、天の意思の見えない糸によって
支配されていると考えてきた。それが「天命」であり、「命」である。
故に「命」を自覚することによって、達観とか諦念が生まれ、
さらに進めば悟りの境地に近づいていく。
「故に憂えず」━━━━!!
変にジタバタしないということになる。と云っている。
*達観:全体の情勢や将来をよく見通すこと。
*諦念:道理を悟る心。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。