人の小過を責めず、人の陰私も発かず、人の旧悪を念わず|菜根譚|

第七章 人と接するための心得
人の小過を責めず、人の陰私も発かず、人の旧悪を念わず
ー不責人小過、不発人陰私、不念人旧悪ー 菜根譚 前集106項
【菜根譚:明の洪自誠編。前集222条では人との交わり、事治、対応の道を説き、後集135条では退静閑居の楽しみを論じている】
原文:
不責人小過、
不発人陰私、
不念人旧悪。
三者可以養徳、
亦可以遠害。
書き下し文:
人の小過を責めず、
人の陰私も発かず、
人の旧悪を念わず。
三者は、以て徳を養うべく、
亦以て害に遠ざかるべし。

意解:
人間には思いやりが必要である。
これがないと、人間関係はうまくいかない。
では、思いやりとは何か。
「菜根譚」のこの指摘が参考になるかもしれない。
人の小過を責めず
小さな過失は咎めないということだ。
そんなことにいちいち目くじらを立てていては、
人は集まってこない。
人の陰私も発かず
隠し事は発かないということ。
誰にも人に触れては欲しくないことがある。
気づいても、
そっとしておいてやるということだ。
人の旧悪を念わず
古傷は忘れてやるということだ。
そんなことを執念深くほじくり出したのでは、
たちまち人間関係は破綻する。
「菜根譚」は他人に対してこの三つのことを心がければ、
自分の人格を高めるだけでなく、人の恨みを買うこともない。と言っている。
「努々忘るるなかれ」心に留めておきたいですね。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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