われ人に功あるも念うべからず|我有功於人不可念|菜根譚 前集|

第二章 自己を高める

われ人に功あるも念うべからず
われ人に功あるも念うべからず

 

第二章 自己を高める

 

われ、人にこうあるもおもうべからず

ー我有功於人不可念ー  菜根譚 前集 51項
【菜根譚:明の洪自誠編。前集222条では人との交わり、事治、対応の道を説き、後集135条では退静閑居の楽しみを論じている】

原文:


我有功於人不可念
而過則不可不念。
人有恩於我不可忘、
而怨則不可不忘。

書き下し文:


われ、人にこうあるもおもうべからず。
しかるにあやまちはすなわおもわざるべからず。
ひと、我におんあらばわすれるべからず、
しかるに、うらみはすなわわすれざるべからず。

われ人に功あるも念うべからず
われ人に功あるも念うべからず


意解:


人に良いことをしたことは心に留めてはいけない。
しかし過ちは忘れてはならない。
人に受けた恩は忘れてはならない。
しかし人に対する恨みは忘れなければならない。

人には優しく、自分に厳しくということ。

孟子 盡心章句下 三十五に「心を養うは寡欲より善きはなし」とある。
孟子が言う。
心を成長させるのには、欲望を少なくするのが最上の方法である。
欲望の少ない人で、良心のない人はわずかである。欲望の多い人で、
良心のある人はわずかである。善なる性を全面的に開花させるためには、
人格形成じんかくけいせいのための「修養しゅうよう」を必要とする。この修養によって
人格を完成させた者だけが
人の上に立つ資格がある、と主張する。
それには、まず自分の心を正すことが必要であり、
それへの近道が「寡欲かよく」だという。

*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。

私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。