小人の学は耳より入りて口より出ず|小人之学也入乎耳、出乎口|荀子
第二章 自己を高める
小人の学は耳より入りて口より出ず
ー小人之学也入乎耳、出乎口ー 荀子 勧学編 十三
(荀子:二十巻。戦国時代末期の学者、荀況の書。荀況は孟子に次ぐ大儒。
孟子の性善説に対して、荀況は性悪説を唱えた。
{原文}
君子之学也、入乎耳箸乎心、
布乎四体、形乎動静。
小人之学也入乎耳、出乎口。
{書き下し文}
君子の学ぶや、耳より入りて心に箸き、
四体に布きて、動静に形る。
小人の学は耳より入りて口より出ず。
{意解}
君子は、耳から学んだ学問を心に定着させ、身体全体に行き渡らせる。
その結果は日々の行動となって表れる。
小人は、耳から学んだ学問をすぐ口に出してしまう。
よく知られた「口耳の学」である。
耳で聞きかじったことを そのまま他人に受け売りすることである。
自分を向上させるには、 多種多様に学ぶことが必要だが同じ学でも
「口耳の学」の学び方では 身にもつかず、有害無益なのだという。
君子は学んだことを己に落とし込み咀嚼して血肉とし、
言葉や行動に形すが、小人だと受け売り程度にしか利用しきれない。
覚えている事と理解している事では天と地の差がある。
君子は、打たねば響かぬが、打てば響くもの、
打てば響く「君子の学」として 身につけたいものですね。
論語 為政 第二に
「学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば則ち殆うし」とある。
知っただけでは、理解が不十分で生きた知識・知恵として役立たない。
「無知は罪である」 最近よく耳にする言葉である。きつい言葉に思えるが、
知らないことで、周りに迷惑をかけたり、傷つけたりする事を考えれば、
やはり罪の領域に入るのであろう。また、知っていても「生きた知識」として
身につけ、役立てなければ 「無知」と等しいと思われる。
己に落とし込んでいなければ必要な時に頭に浮かんでこないもの!
実践で役立ち、磨かれてこそ知識も、人も本物になると思われる。
参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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