第二章 自己を高める
学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば則ち殆うし
ー学而不思則罔、思而不学則殆ー 論語 為政 第二
(論語:十巻二十編。孔子や孔子の門弟の言行を記したもの。儒家の聖典とされている。四書の一つ)
{原文}
子曰、
学而不思則罔、
思而不学則殆。
{書き下し文}
子曰く、
学びて思わざれば則ち罔し、
思いて学ばざれば則ち殆うし。
{意解}
耳に馴染みのある一文だろう。
「読書にのみふけって思考を怠ると、 知識が身につかない。
思考にのみふけって読書を怠ると、 主観的になる」である。
読むだけでは、理解が不十分で生きた知識・知恵として役立たない。
「無知は罪である」 最近よく耳にする言葉である。
きつい言葉に思えるが、知らないことで、周りに迷惑をかけたり、
傷つけたりする事を考えれば、やはり罪の領域に入るのであろう。 が、
知っていても ”生きた知識 ”として身につけ、役立てなければ
「無知」と等しいと思われる。己に落とし込んでいなければ
必要な時に頭に浮かんでこないもの!実践で役立ち、磨かれてこそ知識も、
人も本物になると思われる。
伝習録に「人はすべからく事上に在って磨くべし」とある。
生活や仕事など毎日の実践を通して「事上(実践)」で自分を鍛え、
体で覚えることが必要だと云っている。
これは「知行合一(知識と行為は一体であるということ)」を説いた
陽明学の始祖、王陽明の言行を記した本の中の一文である。
参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。