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桀紂けつちゅう天下てんかうしなうや、そのたみうしなえばなり

 

ー桀紂之失天下也、失其民也ー    孟子 卷之四 離婁章句 上9
孟子もうし:七編。戦国中期の儒家孟軻もうかの言行や学説を編集したもの。
性善説や王道論は有名。四書の一つ)

夏の桀王、殷の紂王は中国三千年の歴史の中でも
典型的な暴君とされてきた人物である。
彼らがなぜ国を滅ぼしたのかといえば、
人民の支持を失ってしまったからだ。という。

 

{原文}
孟子曰、
桀紂之失天下也、失其民也。
失其民者、失其心也。得天下有道。
得其民、斯得天下矣。 得其民有道。
得其心、斯得民矣。 得其心有道。
所欲與之聚之、所惡勿施爾也。

 

{書き下し文}
孟子曰く、
桀紂けつちゅうが天下を失うは、其の民を失えばなり。
其の民を失うは、其の心を失えばなり。 天下を得るに道有り。
其の民を得れば、すなわち天下を得。 其の民を得るに道有り。
其の心を得れば、斯ち民を得。 其の心を得るに道有り。
欲する所をば之がために之をあつめ、
にくみんずる所をばほどこすことからまくのみ。

 

{意解}
孟子がおっしゃった。
『暴君の夏の桀王けつおう・殷の紂王ちゅうおうが天下を失ったのは、人民を失ったからである。
人民を失ったとは、人民の心を失ったということである。
天下を手に入れるには正しい道(方法)がある。
人民を手に入れれば、天下を手中にすることができる。
人民を手に入れるには正しい道(方法)がある。
人民の心を手に入れれば、人民を得ることができる。
人民の心を手に入れるには道がある。
人民の欲しがるものを集めてあげ、
人民の嫌うものを与えないようにすることである。  

 内憂外患ないゆうがいかんという言葉がある。
国を滅ぼし組織を瓦解がかいさせるのは、 この二つの原因であるが、
せんじつめれば、 外患(外国や外部からの問題)も
また内憂(国や組織などの心配事)によって招来されることが多い。

弱肉強食の論理が優先される戦国時代に、 軍事力による覇道政治はどうせいじいましめて、
道徳による王道政治の理想を説いたのが 儒学の大家である孟子で、  

孟子と戦国諸侯の含蓄がんちくのある対話や、 
孟子と高弟たちの言行・思想を集積して編纂へんさんしたのが
「孟子」の離婁章句りろうしょうくである。

 

*「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。

 

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沈琳 二胡 女人花

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