恒産なければ因って恒心なし|無興産、因無恒心|孟子 梁惠王章句|
第四章 着実に生きる
恒産なければ因って恒心なし
ー無興産、因無恒心ー 孟子 梁惠王章句上七
(孟子:七編。戦国中期の儒家孟可の言行や学説を編集したもの。性善説や王道論は有名。四書の一つ。)
{書き下し文}
恒産無くして恒心有る者は、ただ士のみ能くすと為す。
民のごときは則ち恒産無ければ、因りて恒心なし。
いやしくも恒心なければ、放辟邪侈、為さざる無し。
罪に陥るに及びて、然る後従いてこれを刑するは、
是れ民を罔するなり。
いずくんぞ仁人位に在る有りて、民を罔して
為すべけんや。
*放辟邪侈:思うまま好き勝手に悪事を働くこと