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天下、意の如くならざるもの、恒に十に七、八に居る|晋書|

苦中の苦を受けざれば、人の上の人たること難し 第五章 逆境を乗り越えるための心得
苦中の苦を受けざれば、人の上の人たること難し

第五章 逆境を乗り越えるための心得

 

天下、ごとくならざるもの、つねに十に七、八に

ー天下不如意、恒十居七八ー  晋書
(晋書:中国晋王朝(西晋・東晋)について書かれた歴史書。二十四史の一つ。唐の太宗の命によって、房玄齢、李延寿らが編集した書。紀伝体。)




{原文}

天下不如意、恒十居七八、
故有当断不断、天与不取。
豈非更事者恨於後時哉。




{書き下し文}

天下にしかざること、つねに十に七八に居る。
故にまさに断ずべきに断ぜす、天与うるに取らざる有り。
あに更事者こうじしゃの後時にうらむことあらざらんや。

天下、意の如くならざるもの、恒に十に七、八に居る

天下、意の如くならざるもの、恒に十に七、八に居る




{意解}

 世の中のには、自分の思いどうりにならないことが七、八割もある、
という意味である。

 晋の羊枯ようこという将軍が語った言葉だという。羊枯は征南大将軍として
南の国境沿いに駐屯し、呉に対する侵攻作戦を練っていた。だが、
何度政府に進言しても、侵攻の許可がおりない。十分な勝算があってのことだったが、
政府の許可がおりないため、軍を動かすことができなかった。

 苦労して作戦計画を練りあげた羊枯としては、
なんとも歯がゆかったに違いない。

その時漏らしたのが、この言葉だと言われる。 

 その時に決断してやらなければ、後になって、
もう一度やり直しをすることになった者が、
どうしてあの時にしておいてくれなかったのだ、と、
恨みに思うことになるのである。
結局この機を逸した晋が呉を統合するのは、羊枯の死の後、
その後任となった杜預とよによってである。

 時代は変わっても、羊枯の嘆きのたぐいは多いように思われる。
とくに、組織の中で生きている人ほど、この嘆きは深刻であるかも知れない。
人生には、どんなに努力し、どんなに苦労しても報われないことが多い。しかし、
そのことを肝に銘じながらも・・・努力を怠らないことが肝心なようである。

孔子も言っている、
苦しい時や辛い時には、ややもすると自分の責任は棚に上げて、

天を怨み、人を咎めたくなるのが人情の常である。だが、
それをやっていたのでは、
いつまでたっても進歩がないし、
心の平安も得られない。」と。

*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。

私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。