政をなすの要は、ただ人を得るに在り|為政之要惟在得人|貞観政要|

第八章 リーダーの心得

政をなすの要は、ただ人を得るに在り
政をなすの要は、ただ人を得るに在り

第八章 リーダーの心得

 

せいをなすのようは、ただひとるに

ー為政之要惟在得人ー  貞観政要 崇儒學第二十七
【貞観政要:じょうかんせいよう|十巻。唐の呉兢の著。唐の太宗と重臣とが政治に関して論じたものを、四十門に分けて類編した書】

原文:

為政之要、
惟在得人。

用非其才、
必難致治。

書き下し文

せいをなすのようは、
ただひとるにり。
もちうることそのさいにあらざれば、
かならいたかたし。

政をなすの要は、ただ人を得るに在り
政をなすの要は、ただ人を得るに在り


意解:

太宗たいそうは唐王朝の二代目皇帝として、創業そうぎょうから守成しゅせいに移る時期の舵取りにあたり、
唐の三百年の基礎を固めた名君である。この言葉は其の太宗が語ったもの。

太宗が名君とされてきた理由は幾つもあるが、
その一つは、人材の誘致ゆうちに熱心であったことだ。

この人物は能力も在りしっかりしているとみるや、かつて敵側に属した相手でも
要職ようしょく抜擢ばってきし、共に力を合わせて国政にあたった。この言葉は、
そういう人物が語っているだけに、説得力がある。

能力のある人材を必要とするのは、政治の世界に限ったことではない。
どんな組織でも、優秀な人材を得なければ、
たちどころにおかしくなってしまうだろう。

パソコン、スマホ全盛の現代でも、基本的には変わりはない。
太宗はくわえて語っている。
優秀な人材を使いこなせる能力のある上司でなければ、
かならいたかたし」と。

荀子 大略篇 第二十七に
国のまさに興らんとするや、必ず師を貴びて傳を重んず」とある。
トップの功業は、これらの軍師や補佐役の助けなしには
不可能であったと言ってよい。また、トップの自重自戒じちょうじかいうながすうえでも、
必要なのだという。

*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。

私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。