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安きに居りて危うきを思う|居安思危|貞観政要 その二 君道 |

安きに居りて危うきを思う 第八章 リーダーの心得
安きに居りて危うきを思う

第八章 リーダーの心得

 

やすきにりてあやうきをおも

ー居安思危ー  貞観政要 その二 君道 第一
【貞観政要:じょうかんせいよう|十巻。唐の呉兢の著。唐の太宗と重臣とが政治に関して論じたものを、四十門に分けて類編した書】




原文:

徴日、
観自古帝王、在於憂危之間、則任賢受諫。
及至安楽、必懐寛怠。
言事者、惟令兢懼。
日陵月替、以至危亡。
聖人所以居安思危、正為此也。
安而能懼。豈不為難。




書き下し文:

ちょういわく、
いにしえより帝王ていおうるに、憂危ゆうきるときは、すなわけんにんかんく。
安楽あんらくいたるにおよびては、かなら寛怠かんたいいだく。
事を言う者、兢懼きょうぐせしむ。
りょうつきたいし、って危亡きぼういたる。
聖人せいじんやすきにりてあやうきをおも所以ゆえんは、まさにこれがためなり。
やすくしてしかおそる。あにかたしとなさざらんや」。

安きに居りて危うきを思う

安きに居りて危うきを思う




意解:

「貞観政要」の一節で、魏徴ぎちょうという側近が太宗に次のように語っている。

「今までの帝王をご覧ください。国が危難に陥ったときには、
すぐれた人材を登用し、その意見によく耳を傾けますが、
国の基礎が固まってしまえば、必ず心にゆるみが生じます。
そうなると、臣下もわが身第一に心得て、君主に過ちがあっても、
あえていさめようとしません。こうして国勢は日ごとに下降線をたどり、
ついには滅亡に至るのです。昔から聖人は『やすきにりてあやうきをおも』のは、
これがためであります。国が安泰なときにこそ、
いっそう心を引き締めて政治にあたらなければなりません。」と云う。

現代の企業経営においても、同じことである。
業績が好調な時に、気持ちをゆるめないで、
不況時に対する対策を準備しておかなければならない。
「安きに居りて危うきを思う」と忠告している。
また、トップが身勝手な言動を慎み、率先精励そつせんせいれいすれば
より明るい展望が開けてくると思われる。

いさめる: 目上の人に不正や欠点を改めるよう忠告するのこと。

*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。

私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。