赤心を推して人の腹中に置く|推赤心置人腹中|後漢書 光武帝紀上|

第八章 リーダーの心得
赤心を推して人の腹中に置く
ー推赤心置人腹中ー 後漢書 光武帝紀上
【後漢書:百二十巻。本紀十巻、列伝八十巻は、南北朝時代、南朝宋の氾嘩の撰で、志三十巻は晋の司馬彪の続漢書から取っている】
原文:
推赤心置人腹中。
安得不投死乎。
書き下し文:
赤心を推して人の腹中に置く。
安死に投ぜざるを得ん乎。
*赤心:嘘いつわりのない、ありのままの心。

意解:
後漢王朝を興した劉秀(孝武帝)という人物は、不思議な魅力を持った人物である。
反乱の兵を挙げた時には、勢力も小さく格別目立つような存在ではなかったが、
いつの間にか大軍団を傘下におさめ、大勢のライバルを退けて、
ついに皇帝の位にまで駆け上がっていく。
その秘密を解く鍵の一つがこの言葉である。ある時の戦いで敵を破った際、
降伏してきた将兵にしかるべき待遇を保証して、自軍に編入した。しかし、
相手は不安を隠しきれない。それを知った劉秀は、
自ら軽騎に乗って部隊を巡視する。相手の将兵はその姿を目にして、
「赤心を推して人の腹中に置く、安んぞ死に投ぜざるを得ん乎」と
語り合ったという。
下手な駆け引きを弄さず、誠意を態度で示す。それが、
昨日まで敵として戦ってきた人々を
「あの人のためならば、命を投げ出しても構わない」という心境にさせたのである。
部下の心情を理解し、それを態度で示すことが
相手のやる気を引き出すカギになることを教えているように思う。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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