故旧は大故なければ則ち棄てず|故旧無大故、則不棄也|論語|

第八章 リーダーの心得
故旧は大故なければ則ち棄てず
ー故旧無大故、則不棄也ー 論語 徴子 第十八 10
【論語:十巻二十編。孔子や孔子の門弟の言行を記したもの。儒家の聖典とされている。四書の一つ】
原文:
周公謂魯公曰、
君子不施其親。
不使大臣怨乎不以。
故旧無大故、則不棄也。
無求備於一人。
書き下し文:
周公、魯公に謂いて曰わく、
君子は其の親を施てず。
大臣をして以いられざるを怨ましめず。
故旧は大故なければ則ち棄てざるなり。
備わらんことを一人に求むること無かれ。

意解:
周王朝の国造りにあたった人物に周公旦(周公)という名補佐役がいる。
功績によって魯公(魯の領主)に封じられたが、自分は都にとどまり、
代わりに息子の伯禽を封地に派遣した際、
次のような訓戒(君子訓戒)を与えたと言われる。
一、親族をおろそかにしてはならない。
一、大臣に以いられざるを怨ましめるようなことがあってはならない。
一、昔なじみはよほどのことがない限り見捨ててはならない。
一、一人の人間に完全さを要求してはならない。
いずれも人の上に立つ者の基本的な心得の条と言ってよい。
三国志 孫権 名言に「その長ずる所を貴び、その短なる所を忘る」がある。
「三国志」の呉の孫権は、ライバルであった魏の曹操や蜀の劉備と比べて、
地味なリーダーであったが、この孫権の大きな長所は、
部下の育て方が巧みだったことだ。人は叱られるよりも、
褒められることによって、やる気も出るし、成長もする。
短所をあげつらうよりも、孫権のように長所を褒めてやるほうが、
部下を使いこなす、また、人と接する上手なコツなのかもしれない。
*大故:大きな悪事
参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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