先ず和して而る後に大事を造す|先和而後造大事|呉子 図国第一|
第八章 リーダーの心得
先ず和して而る後に大事を造す
ー先和而後造大事ー 呉子 図国第一
【呉子:一巻。春秋戦国時代に著されたとされる兵法書。武経七書の一つ。
撰者は不明。「孫子」とならぶ兵法書】
原文:
是以有道之主、
將用其民、
先和而後造大事。
書き下し文:
これを以って有道の主は、
將にその民を用いんとするや、
先ず和して而る後に大事を造す。
*有道:正道を行うこと。
意解:
このように正道を踏む君主は、その民を戦争に用いようとするとき、
先に民と親和し、そうしてから大事を行った、という意味である。
「呉子」の注に、「和」とは「衆心の一致なり」とある。
組織の意思統一と言ってよい。
大きな仕事を成し遂げるためには、これが欠かせないということだ。
「和」には、二つの事が含まれている。
第一に、経営トップの意思が末端まできちんと浸透していることだ。
これは言うまでもないが、もう一つ忘れてならないのは、
下からの支持である。
下の者が受動的に上の決定を受け入れるのではなく、
自発的な意欲を燃やせるようなかたちでの「和」であることが望ましい。
命令や強制だけでは、「和」は生まれてこない。「呉子」は
「昔から名リーダーは、まず部下を教育し、
部下の団結を勝ち取ることにつとめてきた」と語っている。
ふだんの教育訓練なくして「和」は生まれないということだ。
こういう意味でも、社員研修はもっと見直されてしかるべきなのかもしれない。
書経 虞書 大禹謨に
「下に臨むに簡を以ってし、衆を御するに寬を以ってす」とある。
手続きに加えて、規制や禁令の事柄が増えてくると、
どうしても民間の活力が衰えてしまう。そうではなくて、もっと、
「判り易い簡略な政治」を心がけなさいということを言っている。
国民に対しては、すべからく寛容の精神で臨みなさい、
そうでないと国民の支持を期待できないと、言っている。
現に苛酷な政治を行って墓穴を掘った例は枚挙にいとまがない。
以上のことは、一般の組織管理にも、そのまま通用するであろう。
簡と寬、この二つののことをリーダーは肝に銘じておくべきであろう。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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