備えを以って時を待ち、時を以って事を興す|菅子 霸言第二十三|

第六章 成功の心得
備えを以って時を待ち、時を以って事を興す
ー以備待時、以時興事ー 菅子 霸言第二十三
(菅子:二十四巻。春秋時代の前期、斉の桓公に仕えた宰相管仲とその門下の撰。政治の大本は富民で、立法や布教はそれに次ぐということを説いている。)
{原文}
以備待時、
以時興事。
{書き下し文}
備えを以って時を待ち、
時を以って事を興す。

{意解}
どんな事でも、十分な下準備をして始めなければ、事は成らない。
万全の準備で臨んでも、その善い時でなければ、失敗しかねない。
それが「菅子」のこの言葉である。
「周到な準備を整え、好機を待つ。好機と見るや、すぐに行動を始める。」
昔より、秀でた指導者は皆このように行動した。ゆえに、
すばらしい成功(功績)を残したのだという。
「時を待つ」、ただ何もしないで待つのではない。
十分な準備を整えながら、待つのである。
すべての事に当てはまるだろう。
山あり谷ありの人生で、必ず数度のチャンスが巡ってくる。
その時(好機)に備えて、
日頃から十分に力を備え、蓄えておきたいものである。
易経に「君子以って事を作すには始めを謀る」とある。
われわれ日本人は、「走り出してから考える」といわれる。
「とにかくバスに乗り遅れるな」というわけであろう。
こういう「先制速攻」型には、むろん大きなメリットがある。
なんといってもその行動力、機敏な対応能力は評価されなければならない。
しかし、マイナスもある。その結果、労多くして功少なしという
ことにもなりかねない。そういうマイナスを指摘したのが、
「事を作すには始めを謀る」である。スタートするまえに、
よく調査研究し、計画を練りあげろと云っている。
これをしっかりしてかかれば、不測の事故やトラブルを
最小限に抑えることができるのだという。
思うに、何をするにしても、
一、十分に練り上げられた事業計画
一、機敏な対応能力
の二面を必要とする。
これを併せ持った物が勝ち残るということだ。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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