天下の憂いに先立ちて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ|文章規範|

第八章 リーダーの心得

天下の憂いに先立ちて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ50,96

第八章 リーダーの心得

 

天下てんかうれいにさき立ちてうれい、天下てんかたのしみにおくれてたのしむ

ー先天下之憂而憂、後天下之楽而楽ー  文章規範 范仲淹 岳陽楼記
【文章規範:七巻。宋の謝枋得の編。科学受験者のために規範となりうる文を集めたもの。諸葛孔明の「出師の表」と陶淵明の「帰去来辞」以外は、唐宋の文を選んでいる】

書き下し文:

廟堂びょうどうの高きに居りては、すなわちその民をうれひ、
江湖こうこの遠きにりては、則ちその君を憂う。
これ進むもまた憂ひ、退しりぞくもまた憂う。
しからばすなわいずれの時にか楽しまんや。それ必ずいわん、
天下てんかうれいにさき立ちてうれい、
天下てんかたのしみにおくれてたのしむ。
ああなればの人、吾誰われだれにかせんや。

天下の憂いに先立ちて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ50,96