天下の憂いに先立ちて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ|文章規範|
第八章 リーダーの心得
天下の憂いに先立ちて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ
ー先天下之憂而憂、後天下之楽而楽ー 文章規範 范仲淹 岳陽楼記
【文章規範:七巻。宋の謝枋得の編。科学受験者のために規範となりうる文を集めたもの。諸葛孔明の「出師の表」と陶淵明の「帰去来辞」以外は、唐宋の文を選んでいる】
書き下し文:
廟堂の高きに居りては、則ちその民を憂ひ、
江湖の遠きに處りては、則ちその君を憂う。
是進むもまた憂ひ、退くもまた憂う。
然らば則ち何れの時にか楽しまんや。それ必ず曰ん、
天下の憂いに先立ちて憂い、
天下の楽しみに後れて楽しむ。
噫、微なれば斯の人、吾誰にか歸せんや。