騏驎も衰うるや、駑馬これに先だつ|騏驎之衰也、駑馬先之|戦国策
第八章 リーダーの心得
騏驎も衰うるや、駑馬これに先だつ
ー騏驎之衰也、駑馬先之ー 戦国策 斉策 閔王
【戦国策:三十三篇。周の元王から秦の始皇帝までの戦国時代の謀臣、策士らの活躍を各国別に編んだもの。前漢の劉向の編】
原文:
騏驎之衰也
駑馬先之。
孟賁之倦也、
女子勝之。
書き下し文:
騏驎も衰うるや、
駑馬これに先だつ。
孟賁の疲るるや、
女子これに優る。
*孟賁:秦の武王に仕えた怪力な人
意解:
「騏驎」とは、現在言うところのキリンではない。
一日に千里も走るという駿馬である。「騏驥」ともいう。
「駑馬」とは並の能力しかないごく平凡な馬。
ことばの意味は説明するまでもあるまい。
むかしから諺としてよく使われていたらしい。
現代でも、よく「老害」ということばを聞く。
衰えは、馬の場合は足にくるが、
人間の場合は頭にくる。思考が硬直して、
柔軟な対応ができなくなるのだ。
努力によってよくそれを克服している
御老体もいないではないが、
多くはそういう欠点を免れない。
衰えを自覚した時、後進に道を譲るという、
引き際をわきまえる事も必要と思われる。
菜根譚 前集 92項に「人を看るには、只だ後の半截を看よ」ともある。
芸妓でも、晩年に身を固めて貞節な妻になれば、
昔の浮いた暮らしは少しも負い目にならない。
貞節な妻でも、白髪になって操を破れば、
それまでの苦労が全て水の泡になる。
諺にも、「人の値打ちは後半生できまる」とある。
今まで成し遂げてきた実績を汚さぬためにも、
衰えを自覚した時、後進に道を譲るという、
引き際をわきまえる事も必要と思われる。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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