吉人は、 すなわち夢寐神魂も、 和気にあらざるはなし|菜根譚|

第七章 人と接するための心得
吉人は即ち夢寐神魂も、和気に非ざるは無し
ー吉人、即夢寐神魂、無非和気ー 菜根譚 前集 47項
【菜根譚:明の洪自誠編。前集222条では人との交わり、事治、対応の道を説き、後集135条では退静閑居の楽しみを論じている】
原文:
吉人無論作用安詳、
即夢寐神魂、無非和気。
凶人無論行事狼戻、
即声音咲語、渾是殺機。
書き下し文:
吉人は作用の安詳を論ずるまでもなく、
即ち夢寐神魂も、和気に非ざるは無し。
凶人は行事の狼戻なるを論ずるまでもなく、
即ち声音の咲語も、渾て是れ殺機なり。
*夢寐神魂:眠っている間の魂

意解:
徳のある立派な人物は日常の生活が安らかで静かで、
眠っている間の魂もいうまでもなく、和やかである。
凶暴な人は日常の行為があくどいことはいうまでもなく、
その声音や笑い声までもが人の心を逆なでする。
そして、類は友を呼び、「吉人」は幸せな人、心穏やかな人を呼び、
「凶人」には性格が悪く、殺気だった悪どい人間があつまるのだという。
思うに、人は日々の言動に於いて吉人に近づいたり、
凶人に近づいたりしているのではないだろうか。
己を見つめて、より善い言動(選択、決断)ができるように
貴方も私も在りたいですね。
論語 季子第十六 4に「益者三友、損者三友」とある。
付き合って為になる友人(益者三友)、付き合って為にならない友人(損者三友)が
あるとして、語っている。
「為になる友人とは、実直な人、誠実な人、良識のある人。
為にならない友人とは、媚びる人、人当たりばかりよい人、口先だけはうまい人」
だという。友を選ぶには慎重を期したほうが良いのかもしれない。
*参考資料:菜根譚 前集 より自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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