善く戦う者は人を致して人に致されず|孫子 虚実篇第六|

第六章 成功の心得
善く戦う者は人を致して人に致されず
-善戦者致人而不致于人- 孫子 虚実篇第六
(孫子:一巻。春秋末期の呉の孫武の撰した兵法書。)
【原文】
孫子曰、
凡先處戰地、而待敵者佚、
后處戰地、而趨戰者勞。
故善戰者、 致人而不致於人。
【書き下し文】
孫子曰く、
凡そ先ず戦地におりて、敵を待つ者は佚し、
遅れて戦地におりて、戦いに赴く者は労す。
故に善く戦う者は 、人を致して人に致されず。

【意解】
「人を致す」とは、こちらが主導権を握る事、
「人に致される」とは、相手に主導権を取られてしまう事。
何事も有利に事を進めることが出来るか否かは、
この主導権を取れるか否かにかかっている。
孫子曰く、先に戦地に行き、敵を待つ者は心の準備と鋭気も養え、
判断力も冴え、変化する事態に冷静に対処する事が出来る。
故に、戦に巧みな者は先に布陣し、主導権を握り、状況を先取りして
有利な態勢を築き、敵に思いどうりにさせない。
この思考は人生の生き方、男女関係、事業経営にも参考になる。
漢書に「先発すれば人を制し、後発すれば人に制せられる」とある。
何事も先発の利点は有るが、それを成功に導くためには、先発するだけでなく、
的確な情勢判断であること、そして後に続く第二、第三が用意されていること。
せっかく先発しても後が続かないのでは、これまたつぶされてしまう。
これらの条件を満たした上で先発すれば、まさに鬼に金棒と言っていいだろう。
何事も有利に事を進めることが出来るか否かは、先発してこの主導権を取れるか否かにかかっている。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません